こんにちは、SideCraft の mura です。
先週の SideCraft Notes #1 では、壁打ちの土台として「前提共有」をお話ししました。実際に「やりたくないこと」を1行足してみた方はいらっしゃいますか。返答の手触りが変わる感覚、地味ですが効きます。
今週は、もう一つの土台 「問いの粒度」 を扱います。前提共有とセットで効く、双子のような軸です。
今週のテーマ: 雑に聞くと、雑な答えが返ってくる
「どうすれば?」は、壁打ちで一番よく失敗するパターンだと、私は思っています。
LLM は、問いの粒度に合わせて返答の粒度を決めます。粗く聞けば粗くしか返せません。「設計、どうすればいいですか?」のように雑に投げると、返ってくるのは「目的によります」「ケースバイケースです」という、知っているけど使えない返答です。
私自身、これで何度か時間を溶かしました。LLM のせいではなく、問い方の問題だと気づくまでに、けっこうかかります。
同じ問題でも、「選択肢」と「評価軸」を先にこちらが示す だけで、返答が判断材料に変わります。
たとえば、個人ブログ用のテーブル設計をLLMに相談する場面で、こう投げ直してみます。
個人ブログ用に、ユーザーと記事のテーブル設計を考えています。
案A(正規化)、案B(記事にユーザー名を非正規化で持つ)、案C(JSONカラムで著者情報を埋める)の3つを、
「読み取り頻度」「更新頻度」「将来の拡張性」の3軸で比較して、表で出してください。
結論は不要です。
返ってくるのは、3案 × 3軸の表です。読み取り頻度が高いケースでは案B、更新頻度が高いケースでは案A、というように、自分のサービスの特性に当てはめてそのまま選べる材料が手に入ります。
ポイントは2つです。
選択肢を先に並べる — 「どうすれば?」を「A / B / C のどれが?」に置き換える。3つくらいが扱いやすい数です
評価軸を先に指定する — 「比較して」ではなく、何の軸で比較するかをこちらが渡す。3軸が読みやすい目安です
選択肢が思いつかない時は、その手前で 「選択肢を3つ出してください」 とだけ頼むのがおすすめです。LLM はゼロから選択肢を作るのは得意なので、まず案出し → そこから評価軸つきで比較、という2段構えに分けると、迷いが消えます。
「雑に聞く → 雑に返ってくる → 役に立たないからLLMを諦める」というループに陥っている方は、たぶん粒度の問題です。問いを1段細かくするだけで、見える景色が変わります。
今週、何か1つ判断系の壁打ちをする予定があれば、「A / B / C」と「3軸」を意識して投げてみてください。
eBook のお知らせ
「前提共有」と「問いの粒度」は、5軸の中でも特に重要度の高い土台2つです。残り3軸(答えの種類・往復数・出力形式)と、代表プロンプト10個(P-01〜P-10)は、eBook 「壁打ちエンジニアリング — 個人開発者のためのLLM活用プロンプト100」第1章 にまとめています。
第1章は W6 (2026-05-18 週) に購読者の方へ無料サンプルとして先行案内 する予定です。本編の先行販売は W7 以降 に開始予定で、価格は ¥980(通常 ¥1,980) を見込んでいます。
決済まわりの準備が整い次第、このNLで具体的な案内をお送りします。
次回予告
NL #3 は、5軸の3つ目 「答えの種類」 を扱います。「答えを教えて」と聞くか、「論点を並べて」と聞くか — この一語の違いが、判断の質を変える話です。
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それでは、また次の日曜に。
mura(SideCraft)
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